【昭和の洋楽】My Blue Heaven - Gene Austin【1927】

こんにちは、島猫です。

"マイ・ブルー・ヘブン “は、ウォルター・ドナルドソンが作詞、ジョージ・A・ホワイティングが作曲したポピュラーソングです。この曲は1927年のアメリカのミュージカルコメディ映画「ジーグフェルド・フォリーズ」で使用され、様々なフェイクブックコレクションの一部となっています。フェイクブックというのは、ポピュラーソングの必要不可欠な要素、メロディ、歌詞、ハーモニーをまとめたリードシート又はフェイクシートをコレクションしたものです。この曲は2023年1月1日に著作権が消滅しパブリックドメインとなりました。

1928年、「マイ・ブルー・ヘブン」は、ナット・シルクレットの指揮するビクター・オーケストラの伴奏で、クルーナー*１のジーン・オースティンのビクター20964-A（レコード）で大ヒットとなりました。この曲は26週間チャートインし、13週間1位をキープ、全世界で500万枚以上のセールスを記録しました。ビクター20964-Aは1927年9月14日に録音され、1978年にグラミー賞の殿堂入りを果たしています。この録音はビクター24573として再発売され、市販のCDでも何度か復刻されています。

*１クルーナーとは、主に男性歌手を指す言葉で、マイクの性能向上により、より静かな音と広い周波数帯域を拾うことができるようになったため、よりダイナミックな音域にアクセスでき、より親密で滑らかなスタイルで歌うことができるようになりました。

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【背景】

ドナルドソン（作曲家）は1924年のある日の午後、ニューヨークのフライアーズ・クラブでビリヤードのテーブルの順番を待っている間にこの曲を書きました。この曲は、ドナルドソンが契約していたベルリンの出版社であるアーヴィング・バーリン社で働いていたときに書かれたものです。ジョージ・A・ホワイティング（作詞家）はドナルドソンの音楽に合わせた歌詞を書き、しばらくはサディ・バート（歌手、ホワイティングの妻となる）と一緒にボードビルのショー「Songsayings」で披露していましたが、ホワイティングとバートがこの曲を演奏した録音は残っておらず、3年後にトミー・ライマン（ナイトクラブの歌手？）が自分のテーマソングとしてラジオで歌うようになりました。

ビクター社に不満を持っていたオースティン（歌手）は、自分が注目した最高の素材が他のアーティストに渡ってしまうことを確信し、ナット・シルクレットに、My Blue Heavenの自分の解釈（歌）が商業的にリリースされない限り、次のセッションは行わないという最後通告をしました。オースティンによると、My Blue Heaven は、当時彼が録音する予定だった曲の中で最も評価の高かった Are You Thinking of Me Tonight? とカップリングすることで合意に至りました。 My Blue Heavenのレコーディング当日、他の曲のテイクが終わった後、オースティンが驚いたことにミュージシャンたちが荷物をまとめてスタジオを出て行きました。シルクレットはオースティンに「対立している」と言ったが、H・アレン・スミス（ジャーナリスト、ライター）が彼の『A Short History of Fingers』で記録したシーンでオースティンは「チェロを持った老人を捕まえて説得して待機させ、そして、ピアノがかなり弾けるソングプラッガー（熱烈な支持者？）をつかまえた。そして3人目は、鳥の鳴き声など、口笛が吹けるエージェントだった」と述べた。オースティンは、急遽集まったこのトリオで「マイ・ブルー・ヘブン」を録音しました。

【著作権】

ドナルドソン（作曲家）は1928年に自分の出版社を設立しており、この曲の権利はその時に彼の会社に譲渡されたようで、この曲はGeorge Whiting MusicとDonaldson Musicから出版されたと記載されています。

この曲は、1925年と1927年に著作権の対象となりました。これらの著作権は両作曲者の死後、1953年と1955年に更新され、その時点でこの曲の権利はレオ・ファイスト社が所有していました。その後，この権利は，EMI Feist Catalog Inc.が管理・運営するEMI Catalogue Partnershipに譲渡されました。

【映画での使用】

1931年の日本初の本格トーキー映画「マダムと女房」で使われました（最後の方）。

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